○下條村文化財保護条例
昭和52年10月1日条例第16号
下條村文化財保護条例
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第98条第2項の規定に基づき、及び長野県文化財保護条例(昭和35年県条例第43号。以下「県条例」という。)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で、下條村(以下「村」という。)内に存するもののうち、村にとって重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって村民の文化向上に資するとともに広く文化の進展に貢献することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「文化財」とは、法第2条第1号から第4号までに掲げる有形文化財、無形文化財、民俗文化財及び記念物をいう。
(指定文化財)
第3条 下條村教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、特に保存及び活用の必要があると認めるときは、次に掲げるものを文化財として指定又は認定(以下「指定文化財」という。)することができる。
(1) 下條村有形文化財
考古資料として価値の高い建造物、絵画、彫刻、工芸品、書趾、典籍、古文書その他有形の文化的所産で歴史上又は学術上価値の高いもの。
(2) 下條村無形文化財
演劇、音楽、芸道、工芸技術、その他無形の文化的所産で歴史上又は学術上価値の高いもの。
(3) 下條村民俗文化財
衣食住、生業、信仰、年中行事に関する風俗習慣及びこれに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で村民生活の推移を理解するうえに重要なもの。
(4) 下條村史跡
古墳、旧宅、城跡、社寺その他の遺跡で歴史上又は学術上価値の高いもの。
(5) 下條村名勝地
庭園、橋梁、峡谷、山岳その他名勝地で芸術上又は観賞上価値の高いもの。
(6) 下條村天然記念物
動物(生息地繁殖地及び渡来地を含む。)植物(自生地を含む。)及び地質、鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)で学術上価値の高いもの。
2 第1項の規定による指定をしようとするとき、教育委員会はあらかじめ調査委員会に諮問しなければならない。又その旨を告示するとともに、指定文化財の所有者等に通知して行うものとする。
(財産権の尊重及び他の公益との調整)
第4条 教育委員会は、この条例の施行にあたっては関係者の所有権その他の権利を尊重するとともに、文化財保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
(調査委員会)
第5条 教育委員会は第3条の規定による指定又は認定を行なうため諮問機関として下條村文化財調査委員会(以下「調査委員会」という。)を置く。
2 調査委員会についての必要な事項は、教育委員会の規則で定める。
(所有者の同意と保持者の認定)
第6条 教育委員会は第3条に規定する文化財の指定又は認定を行なうときは、当該文化財の所有者(権限に基づく占有者を含む。)の申請によるとともに、当該所有者の同意を得なければならない。
2 第3条第1項第2号の規定を適用するときは、前項の規定をあわせて当該文化財の保持者又は保持団体を認定するものとする。
(解除)
第7条 教育委員会は、指定文化財が次の各号の一つに該当すると認めるときは、あらかじめ調査委員会の意見を聞き、その所有者又は保持者に対して指定又は認定の解除を行なうことができる。
(1) 指定文化財としての価値を失ったとき
(2) 第6条第2項の認定を受けた者が心身の故障により保持者として適当でなくなったとき及び死亡したとき。
(3) 指定文化財について又は県条例による文化財の指定があったときは当該文化財の指定は解除されたものとする。
2 前条による解除を行なうとき教育委員会はその旨を告示するとともに所有者又は保持者に通知するものとする。
(標識等の設置)
第8条 教育委員会は、別に定める基準に従い、当該指定史跡、名勝、天然記念物等の管理に必要な標識、説明板、囲いさくその他必要な施設を設置するものとする。
(行為の制限等)
第9条 指定文化財の所有者が次に掲げる行為をしようとするときは、その理由を教育委員会に申請しなければならない。
(1) 所在を変更しようとするとき。
(2) 所有権を移転しようとするとき。
(3) 現状を変更しようとするとき。
(4) その他指定文化財の保存に影響を及ぼすおそれがある行為をしようとするとき。
2 指定文化財の所有者は、指定文化財の全部又は一部を滅失し、き損若しくは亡失したときは直ちに教育委員会に届け出なければならない。
3 指定された土地以外の土地において埋蔵文化財の発掘をしようとするときは、発掘しようとする30日前までに教育委員会に届け出なければならない。
4 埋蔵文化財の保護上特に必要を認めたとき教育委員会は発掘の禁止あるいは停止を命ずることができる。
5 発掘により埋蔵文化財を発見したときは埋蔵物としてこれを教育委員会へ届け出なければならない。
(保存地域の設定等)
第10条 教育委員会は、指定文化財保存のため必要があると認めたときは、その所有者の同意を得て地域を定め、一定行為を制限し若しくは禁止することができる。
(指示又は助言)
第11条 教育委員会は、指定文化財の所有者又は保持者に対して、管理及び保護について必要な指示又は助言を行なうことができる。
(保護・管理)
第12条 指定文化財の所有者等は、この条例ならびに教育委員会の指示に従い、指定文化財を保護、管理するものとする。
(修理)
第13条 指定文化財を修理しようとするときは、所有者はあらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(調査及び報告)
第14条 教育委員会は、必要があると認めたときは所有者に対し指定文化財の現状又は管理若しくは修理の状況につき、これを調査し又は報告を求めることができる。
(経費の補助)
第15条 教育委員会は、指定文化財の維持、管理及び保存、保護について必要と認めるときは、これに要する経費の一部を当該所有者(指定無形文化財については保持者又はその保存にあたることを適当と認める者。)及び権限に基づく占有者に対して補助することができる。
(補則)
第16条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は教育委員会が定める。
附 則
第1条 この条例は、公布の日から施行し、昭和52年10月1日から適用する。